短文

 ニートなので昼寝をしていた。昼寝をしていたら、2022年の夏の夢を見た。私は彼女を待っていた。結局、夢の中では会えなかったが、それでも幸せだった。

 仮にあの春に付き合うことができて、恋人として夏を過ごしていたとしても、その時間は永遠じゃないんだよな、と思った。誰かと形式上恋人として続いていたとして、最終的に夫婦として添い遂げることができていたとしても、隣にいる人との「戻ってこない時間」を思い出してしまうようなことはあるんだろうな。

 逆に、恋人ではなかったが、名前のついてない、少し甘酸っぱいあの時間も、「永遠の理想」として、少なくとも僕の中には残り続けるんだろうな、と思った。

 小山田壮平の「OH MY GOD」という曲をなんとなく連想して、今、流している。最初にちゃんと聞いたのは、2022年の4月30日に、彼のライブに行ったときだったことを思い出した。現実の2022年4月の、出会った頃の空気感に救われ、もしかしたら違う形で過ごしていたかもしれない4月30日の架空の思い出に、少しだけ傷ついている。

この曲は、そんな未練自体を肯定してくれるような気がした。